責任取るのはオレしかいない 原監督 正式退団発表
2007年11月21日 紙面から

 FC東京・原博実監督(49)が今季限りで退団することが20日、正式に発表された。2季ぶりに復帰した今季はリーグ11位と低迷。原監督は「後悔はしていない。選手、サポーターには感謝している」とすがすがしい表情で語った。原監督は来月の天皇杯終了まで指揮を執り、退任。後任には、U−17(17歳以下)日本代表監督を務めた城福浩氏(46)の就任が有力となっている。

 退任が決まっても、原監督はいつもの笑顔だった。「新しいチャレンジは失敗したけど、東京は前へ進まないといけない」。チームを離れなければならない無念さ、悔しさ、もどかしさは自身の心の隅に置き、クラブの未来を思いやった。

 標ぼうした「攻撃サッカー」は結実しなかった。ワンチョペエバウドは機能しなかった。主力組に故障者が続出し、最後までチーム編成に苦しんだ。「言い訳はしない。責任を取るのは、オレしかいない」。すでに、覚悟は決めていた。

 苦しんだ分、新たな息吹を感じ取っている。今野の躍進、塩田の独り立ち、梶山の成長、池上や森村ら“新戦力”の登場。「新しい芽は出てきている。それを次の監督さんが生かしてくれればいい」。感謝も尽きない。「選手はバラバラにならず頑張ってくれた。ブーイングもされたけど、サポーターはいつも応援してくれた。ありがたいよね」と小さく笑みを浮かべた。

 この日朝、原監督は椿原社長らクラブ幹部と話し合った。「スッキリしてもらった方が良い」と、退任発表を自ら申し出た。練習後、選手たちには「このメンバーで戦うのはリーグ戦2試合と天皇杯だけ。ピッチで戦うことだけに集中して、思い切ってやろう」と伝えた。涙はない。あるのは、晴れ晴れとした笑顔と前向きな心。そして、願うのは1つだけ。最後は勝って東京を去る−。それが原監督の流儀だ。 (松岡祐司)







いろいろな方からお叱りをうけそうですが、今回だけはきついことを書きたいなと。ここ2、3年のチーム不振の成績をはたして原監督だけに押し付けていいのかと感じております。

原監督について選手起用法、采配について疑問を感じる部分も正直なところありましたし、原監督の理想と現実のギャップがうずめられなかったことも確かです。(今年はヒロミ采配が見事にはまったすばらしい試合も少なかった。)

原監督とガロ氏を並べることに抵抗を感じる方も多いの承知しておりますが、昨年のガロ氏のポゼッションサッカーも本来はボールをきちんとキープし、ボール保持率を高めることで中盤でボールを取られない、コンタクトを強化するという意図だったと思うのですが、なぜか選手が動かないサッカーになってしまった。一方今年の原監督のサッカーは従来どおりに戻したはずだが、動いてる選手と動かない選手にはっきり分かれてしまった。動いてる選手ほどけが人が続出するという悪循環が生じてしまいました。

結局、原監督とガロ氏の理想としたサッカーは異なれど、ここ2、3年のチームの不振は選手が動かなくなったしまった(あるいは動けなくなってしまった)のが根本的な原因ではないかと思うのです。動かない(あるいは動けない)選手にもおそらく事情があると思うので非難はできないけど、こういうチームの雰囲気(意識)を変えていかないかぎり、監督を交代させただけでチームの事情が好転するとは考えられないのです。