相模原サッカー事情

Jリーグ目指す「新市の象徴」が二チーム/相模原

* 社会人スポーツ
* その他
* 2008/05/05

 四月から始まったサッカーの県社会人リーグに、相模原をホームタウンにJリーグを目指す二つのチームが参戦している。一部リーグで戦う「ブレッサ相模原」は地元クラブを母体に、相模原青年会議所(JC)が全面支援。もう一方の「SC相模原」は発足したばかりで三部リーグからのスタートだが、複数のJリーガーを擁する実力派。ともに「市の象徴に」と意気込むものの、関係者は「どちらも応援できない」と困惑気味だ。

 ブレッサは、市立中学サッカー部のOBチームが母体。相模原JC有志でつくる「相模原にJリーグクラブをつくる会」(荒俣大代表代行)がサッカーによるまちおこしを思案する中、同チームに協力を要請、本年度から名称を変えJリーグを目指すことになった。

 名称は公募し、選手選考会も実施した。同JCが全面支援し、「市民が育てるチームにしていく」とつくる会。四月の初戦は快勝、上々のスタートを切った。

 一方のSCは、元Jリーガーで日本代表にも選ばれた望月重良さんが代表を務める。地元密着のJリーグクラブ構想を温めていた望月さんと、合併した新市の象徴を探していた平山クリフォードモリースさんら地元経営者らが手を組んだ。

 二月の発足後、望月さんの人脈を生かしJリーガー三人を含む有力選手を集めた。支援企業も三十社を超え、六月からのリーグ戦に向け準備を整えている。練習試合では一部に登録するチームを撃破するなど、潜在力の高さを示している。

 両チームのコンセプトはともに「市民の一体感のシンボル」。津久井地域と合併し政令指定都市を目指す相模原市の関係者にとって、渡りに船のはずだが、二つ同時の”候補”出現に困惑の色を隠せない。

 「市民が一つになれる存在は、のどから手が出るほどほしい。だが、二つもあっては…」と市幹部。両チームが資金面での援助を期待する相模原商工会議所も「どちらかに肩入れすれば、産業界が分裂しかねない」と静観の構えだ。

 こうした現状を受け、両チームは統合に向けた協議を始めた。だが互いに思い入れは強く、平行線という。「一年間戦って、実力で昇格の可能性を示すしかない」と両チーム。今季の戦いが、夢実現の最初の正念場となりそうだ。