ファン・ハール監督骨折で不在のAZ、NECを圧倒

 11月3日に行われたAZ対NEC戦に、AZのファン・ハール監督の姿はベンチになかった。車いすに乗ったファン・ハールはスカイボックスから無線機を持って観戦。バックスタンドには「お大事に、ルイ(ファン・ハールファーストネーム)」という横断幕が飾られた。
 ファン・ハールは2日、体育学校の同窓会に出席し、そこで棒高跳びを披露した。しかし着地に失敗し、左足の骨を折ってしまった。ファン・ハールはその日のうちに手術し、全治6週間、車いす生活は3週間と診断された。
 3日の試合はコーチのメトゴットが代理で采配(さいはい)を振るうことになったAZ。しかしNECとの実力差は明らかで、AZが4−0と快勝した。

 キックオフからAZのパス回しがNECの5バックを翻弄(ほんろう)した。13分にチョマーがヘッドで先制すると、19分にはヤリンスのボレー、23分にアリのドリブルシュートとAZはゴールを連取し、あっという間に3−0。前半のうちにAZは勝利を決定付けた。
 後半もAZのパス回しは冴えたが、無理してシュートを狙わず試合のコントロールに重きを置いた試合運びになった。それでも67分、デ・ゼーウがGKをドリブルでかわして駄目押し点を挙げ、最終スコアの4−0とした。
「今日の試合はAZにとって、今季ベストゲーム。とりわけデ・ゼーウが素晴らしいプレイをした」とメトゴットコーチ。この日の勝利によって、AZに自信が戻ってくるかもしれない。

 AZは順位をひとつ上げ、暫定11位になった。AZはシーズン開幕前は優勝候補と目されていたが、スタートダッシュの失敗が響いている。しかし4位ヘーレンフェーンとはわずか勝ち点3差であり、一気に上位に追いつく可能性は十分ある。
 この日は首位PSVがヘーレンフェーンに敗れた。次節、AZの相手はそのPSV。急ピッチで優勝戦線に参戦するためにも、ここでAZはPSVをたたいておきたいところだ。

  • Toru Nakata from Holland-

[ スポーツナビ 2007年11月4日 19:31 ]


選手心理・チーム心理の微妙さ、ほんのわずかな意外な出来事でも大きな転換ポイントになりうるのかもしれませんね(監督の骨折というのは気の毒な感じですが)