Jが犬飼発言撤回「やむを得なかった」

日刊スポーツ
[写真]Jリーグとの話し合いを終え、練習後の選手に説明する川崎Fの武田社長クリックで拡大

Jが犬飼発言撤回「やむを得なかった」 (日刊スポーツ)

 Jリーグが「犬飼発言」による騒動収束へ向け、急転直下で方針転換した。28日、鬼武チェアマンが川崎Fの武田社長を都内のJFAハウスに呼び出し、犬飼専務理事を交えて23日柏戦で主力8選手を入れ替えた経緯について事情聴取。セパハンとのアジアチャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝第1戦直後のコンディション不良が原因で、同チェアマンは「今回はやむを得なかった」と理解を示した。

 最初に問題視した26日に続き、前日27日にも犬飼専務理事は「常に強いチームで戦うのが基本。クラブに危機感がない。サポーターを裏切った」と発言。10月9日のJ1、J2実行委員会で議題にする考えも口にした。あたかもクラブがJリーグを軽視したかのような発言に、川崎F関係者やサポーターから多くの戸惑いの声が上がっていた。

 事態を重くみたJリーグ側はこの日「リーグとしての見解を示したい」と犬飼理事ではなく、チェアマンが報道陣の取材に対応。「クラブとしてベストの判断をしたと聞いた。今後はお互いがコミュニケーションを図ってやりたい」と同理事の前言を撤回した。川崎Fへのペナルティーは設けず、実行委員会でも状況報告にとどめる方針だ。

 Jリーグと日本協会、クラブが三位一体となって初めてACL制覇への「支援プロジェクト」を結成したシーズン。国内戦と並行して戦う過密日程を考慮し、アウエー戦でのチャーター機使用を援助するなど「公式戦の両立」への期待は大きく、それは選手、サポーターも理解していた。鬼武チェアマンは「配慮が足りなかった。必要な支援は続けていきたい」と話した。

2007年9月29日 08時48分 日刊スポーツ