ストーブリーグの記事を書くと8割はとばしなんだが

参院選候補に中田英も急浮上
 来年夏の参院選で苦戦が伝えられる自民党は目玉候補の担ぎ出しに躍起だが、なんと、サッカーの中田英寿(29)の名前が浮上している。そういえば、11月のAPEC首脳会談の際、安倍首相はハノイに滞在していた中田と会った。ここで直々に口説いたのか。

 安倍首相と中田のハノイ会談は、「自分探しの旅」をしていた中田が安倍を表敬訪問したことになっている。

 安倍が「現役引退前と生活が変わったか?」と尋ね、中田は「忙しくなった」「街を歩いていてもナカタとかタナカとか声をかけられる」と答えるなど、たわいもないやり取りが交わされたらしいが、それだけではなかった。

 安倍がさりげなく政界入りの話をもちかけたところ、中田は「サッカーだけの人生で終わりたくない」「昔は政治家か弁護士になりたかった」と応じたというのだ。安倍は「あなたは若いから何でもできる」と持ち上げたらしい。

 中田にしてみれば、リップサービスのつもりだったのかもしれないが、“その気”になった自民党の一部は比例での担ぎ出しを狙っている。

 過去には川淵三郎日本サッカー協会会長も口説いた自民党だ。とりあえず、来年1月の山梨県知事選で山梨出身の中田に応援を頼もうという動きもある。

山梨県知事選は現職の山本栄彦知事だけでなく、元自民党衆院議員の横内正明氏も立候補する。保守分裂選挙で、双方が中田に応援を頼もうとしている。とくに横内は中田と同じ韮崎高校出身だから可能性がある。これに中田が応じれば、政治に関心がある証拠。執行部は期待しています」(自民党関係者)

 中田は英語もイタリア語もベラベラ。東ハト執行役員を務め、ニューヨークにはビルを構える。福祉活動にも熱心だから、ただのスポーツタレントとは違う。だから、自民党も大きな期待を寄せているのだろうが、裏を返せば、それくらい自民党は切羽詰まっているということだ。

「中田クラスの大物が比例に出ないと、本当に参院選は大惨敗する。29の1人区で確実に勝てそうなのは数選挙区です。だから、郵政造反組の復党を急がせたのに裏目に出た。5割を切った安倍首相の支持率が4割を切って30%台になったらアウトです。死に物狂いの自民党はオリンピック選手やプロスポーツ選手、タレントに声をかけまくっています」(永田町関係者)

 いよいよ自民党は見境がなくなってきた。

【2006年12月7日掲載】



2006年12月10日10時00分