オシム監督関連

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改めて昨日のオシム語録を・・・

積極的プレーも また決定力不足露呈

<日本・ガーナ>ゴール前に抜け出した巻がイリアス(下右)をかわしシュートを放つもゴールならず


 辛口の指揮官が負け試合でも怒らなかった!?キリン・チャレンジカップは4日、横浜・日産スタジアムで行われ、FIFAランク47位の日本代表は、同23位の格上ガーナと対戦し0―1で敗れた。イビチャ・オシム監督(65)は初めて攻撃的な3トップを試したが、ゴールは割れなかった。それでも試合後は積極的に攻めに出たプレーを評価した。日本代表は1次解散し、8日に再集合。11日のアジア杯予選インド戦(バンガロール)に向けて出発する。 【ガーナ戦試合結果  写真特集】

 試合終了と同時に大きな肩が落ちた。オシム監督はまたもうなだれるしかなかった。頂点に巻、右に佐藤寿、左に山岸智を置く初めての3トップも不発に終わった。強豪ガーナに攻撃的に挑みながらもFW陣はオフサイドを連発した。「もう少し慎重でも良かったのかもしれない」と指揮官。結局、3度の決定機を外した巻の「FWは決めないと。反省してます」に、すべては集約されていた。

 ただフィニッシュまでは成果も見せた。後半11分、巻が得意のヘディングで左サイドに張った佐藤寿に流す。佐藤寿はトップスピードのままクロスを上げた。山岸智がゴール前に抜け、伸ばした左足でボールを押し込む。ゴールポストに嫌われたが、人とボールが連動した。山岸智、佐藤寿は何度も起点となり、遠藤の2列目からの飛び出しもチャンスをつくった。

 「内容は日本が上回っていた。将来的にもこういうやり方で積極的にやっていきたい」。中盤の連動は、この2カ月半で明らかに向上を見せている。「私は結婚して40年もたつが、妻との間にオートマチズムなんてない。2、3カ月でどうしてできる?」。皮肉交じりだが、言葉の端々に手応えが感じられた。

 W杯16強のガーナの両サイドバックの攻撃力を警戒し、ウイングをワイドに広げる3トップの布陣を敷いた。狙い通り、前半26分には佐藤寿がシュートブロックする位置まで戻り、体を張った守備を見せた。試合後は「選手に分かるように書いてください。攻撃と守備の両方ができないと未来は短い」。これが目指すべきポリバレント(多様な能力)な選手像なのだ。

 来年6月のアジア杯本大会まで欧州組を招集するつもりはない。「どうしても欧州組の助けが欲しい時に彼らを呼ぶ、そういう準備をしたい。そうしなければ彼らは救世主になれないだろう」。チームの基盤は国内組で築くことを遠回しに表現した。多様な能力を持つ選手をそろえ、チームが劇的な“化学変化”を起こすには、まだ時間がかかりそうだ。

 ≪オシム監督に聞く≫

 ――ガーナ戦について。

 「ある程度、チャレンジには成功したが、フィニッシュの成功にはつながらなかった。(ビルドアップも)DFラインは4クラブから集まっている。選手には、きのうも“家をつくるには土台が大事”という話をしたばかりです」

 ――強豪とは初対戦。

 「戦術は問題ない。個のスキルには少し問題がある。日本人はプレッシャーの中でオプション、アイデアを実行できない人が多い。そこに勝ち負けの差がつくもの。きょうの結果に満足はしていない。負けたのだから。前進のヒントを探しているところです」

 ――こういう展開の場合、中村俊輔セルティック)が必要なのでは。

 「最初に10個のFKがあると約束されていれば…。大事なのはFKを取るまでの経過です」
[ 2006年10月05日付 紙面記事 ]