福岡戦でやっぱりチェックしてたんだ

オシム監督「守り&若さ」重視


スタッフミーティングを終え、帰路に就くオシム監督
 
 アウエー版オシムジャパンが誕生する。日本代表のイビチャ・オシム監督(65)以下、コーチ陣は28日、東京・本郷のJFAハウス内でアジア杯予選(3日対サウジアラビア、6日対イエメン)に向けたスタッフミーティングを開いた。選手選考では新たに「考えて守れる」選手、「若さとタフさ」に重点を置き、U―21世代など若手からもリストアップ。各選手には30日のJ1第21節後に通達され、代表メンバーは31日午前8時に正式に発表される。

 もう1つのオシムジャパンが誕生する。3時間45分にも及んだスタッフ会議では40人の予備登録メンバー、1人1人の近況が検証された。その中でキーワードとなったのが「考えて守れる」選手。大熊コーチは「オシム監督のサッカーは考えて走ると言われるけど、攻守の“守”の部分でも走れる選手ということを言ってました」と振り返った。

 文字通り、アウエーでの守備を念頭に置いた選考で中東に乗り込む。ホーム開催の過去2試合はむしろ攻撃面を重視していた。センターバック闘莉王と坪井、GKも川口、山岸の2人で十分だった。だが「今回は違う。フィールドの選手とGKのリスクマネジメントのどちらを優先するかにもよりますが、3人目のGKをという話も出た」と加藤GKコーチ。形勢不利も予想されるアウエーでの戦いに備え、守備を重視した、ホームとは異なる陣容となりそうだ。

 特にオシムジャパン初のアウエー戦で新たに求められるのが、タフさと若さだ。サウジアラビアは気温30度超の酷暑であり、イエメンでは標高2300メートルという高地での酸素の薄さも敵になる。しかも中2日で2試合を行う強行軍。大熊コーチによれば、オシム監督は7日のU―21日本代表―U―21中国代表戦もすでにVTRでチェックしたという。その中から目に留まった若手No・1のGK西川(大分)、和製ジダンと呼ばれるMF梶山(FC東京)、さらにはDF徳永(FC東京)、MF中村(川崎F)らがリストアップされた。過酷な条件下でこそ、若い力が必要というわけだ。

 オシム監督はホームでの2試合を戦った後、関係者に「使えない選手がはっきりした」と話しており、これまでのメンバーから大幅に入れ替えることは必至。既に頭の中には新陣容があるのか、会議の最後でオシム監督は「後はケガ人が出ないように祈りましょう」と不敵な笑みで締めくくったという。代表メンバーが各クラブに通達されるのは、30日のJリーグ公式戦終了後。アウエー版オシムジャパンは、一気に若返りを図ったチーム編成となる。
スポーツニッポン) - 8月29日6時6分更新