ジーコ代表を勝手に総括

☆ファミリースタッフに?/検証ジーコ日本

 
1次リーグ1分け2敗、3試合で得点2、失点7と数字からみてもジーコジャパンの惨敗は明らかだった。日本協会の川淵キャプテンも「アジアから出場した4チームの中でも(サウジアラビアと並ぶ)最低成績。おわびしたい」と不本意な結果を率直に謝罪した。

 「世界を驚かす」「カップを奪いに行く」などの発言でジーコ監督は大きな期待を抱かせた。それだけに失望も大きかった。ある日本協会幹部は「選手がよくやりたいと話す『自分たちのサッカー』ができたのなら納得できる。しかし、今回は持てる力の半分も出せなかった。ジーコジャパンのスタッフにはW杯の経験がない、という問題があった」と指摘した。

 立ち上げ当初はアテネ五輪代表監督の山本昌邦氏(前磐田監督)がコーチとして入閣。しかし、五輪代表専念という形でわずか2試合で代表から外れた。また、04年2月には監督と選手とのパイプ役として日本代表OBを補佐コーチとしてチーム入りさせるプランもあったが、ジーコ監督は拒否した。「ジーコファミリーでスタッフを固め『物申す』人がいなかった。最後は(チーム内に)誰もジーコに対して言える人がいなかった」と協会幹部。

 ブラジル代表ザガロ氏のように、チーム全体を客観的に見て、的確なアドバイスをできる人材がいれば少しは違ったかもしれない。ジーコ監督は最終ブラジル戦を終えて「元気がない選手に誰かがハッパをかける、こういう部分で厳しく付き合っていかないと。ただ単純な仲良しクラブではW杯の成功は難しい」と話した。選手を指しての発言だったが、協会内部ではジーコジャパンのスタッフに対し、同じような見方をする幹部がいたのも事実だった。

 「伝えるべきものはすべて伝えた」。ジーコ監督は大会中、そう言い続けた。しかし、選手の資質の部分もあるとはいえ、決定力不足、守備での高さへの対応などの課題が改善されたとは言い難かった。26日の退任会見では「(国内最終の)Jヴィレッジ合宿ではけが人も多く、スタミナ系のトレーニングが2日ぐらいしかできなかった」と言った。誤算を修正できないまま、オーストラリア、クロアチア両戦の終盤には暑さも手伝ってスタミナ切れも起こした。

 協会幹部は「2005年宣言ではないが、代表チームにも具体的な目標を持って臨むべきだった」と言った。ジーコ監督、そしてジーコジャパンの功罪をきっちり精査し、日本協会は10年南アフリカ大会へ向けてスタートする。監督がほぼ全権を掌握したジーコジャパン。勢いがあるとき、流れがいいときは良かったが、チームが傾いたときにはもろさとなって跳ね返った。【日本代表取材班】

[2006年7月15日7時36分]


☆「なんで伸二?」中田氏本音告白

 
現役を引退したW杯日本代表MFの中田英寿氏(29)が、15日夜に放送されたテレビ朝日の特集番組でW杯での戦いを振り返った。

 1―3で逆転負けした初戦のオーストラリア戦では「キューウェルビドゥカのマークをはじめから決めておけばよかった」「(柳沢と小野の交代では)なんで伸二なのかなと思った。伸二に守備で走ってもらって自分は前に出ようと思ったが、伸二も前に上がっていた」とチームで意思統一ができていなかったことを悔やんだ。ジーコ監督については「采配に疑問を感じることもあったが、それは監督と選手の立場なら当然のこと。人間性は素晴らしかった」と話し、当初は02年のW杯で代表を引退する考えもあったが、ジーコ監督の就任で方向転換したという。今後については「自分に何ができて何ができないのか世界中を見て考えたい」と語った。
[ 2006年07月16日付 紙面記事 ]


珍しい記事を発見したので載せときますね



☆Kリーグ、涙ぐましい営業活動でファン取り戻せるか

 
2006FIFAワールドカップ(W杯)ドイツ大会終了後、韓国プロサッカーリーグ(Kリーグ)が15日、約40日ぶりに再開する。

 Kリーグの各クラブも15日をDデーと定め、背水の陣で臨んでいる。観客動員のためとはいえ、ここまでする必要があるのかと思ってしまうほどだ。Kリーグは98年フランスW杯と2002年韓日共催W杯直後、すでに失敗を経験している。W杯の熱気をKリーグにつなげることができなかったのだ。しかし、今回はW杯効果を逃さないと、全力を尽くすことを宣言した。



 まず、釜山と対戦する全南所属選手38人は、サポーターズカード優良会員と今季ホーム競技場を訪れたファン1000人に手紙を書き、「ドイツW杯時、代表チームに送ってくれた熱い声援を全南とKリーグの試合に向けて下さるなら、私たちはピッチで一層懸命にプレーします」とKリーグに対する関心を呼びかけた。選手らはA4用紙1枚程度の分量の手紙をワープロで作成し、用紙上段に自身の名前と手紙の最後にサインを添えた。全南関係者は「選手団がファンの人々に手紙を送るのは今回が初めてのこと。直筆で書けばもっと良かったが、なにせ字が下手なので、ワープロで作成することになった」と語った。

 今年初めにフランチャイズを移転した済州ユナイテッドは、地元出身選手の獲得に余念がない。オーナーのチョン・スンギ氏は「最近、島民を対象にプロサッカー興行における先決課題を問うアンケート調査をしたが、済州出身の選手獲得が一番に挙げられた。ということで、クラブの命運をかけて彼らを獲得するため、他のクラブと多方面で接触している」と述べた。

 FCソウルJリーグFC東京を招待し、来月5日午後7時からホームであるソウルW杯競技場で親善試合を行う。また、FCソウルは孤児、身体障害者、環境美化推進員、郵便配達人、外国人労働者、各種ボランティアなど、各層のファンを無料で試合に招待し、一部観覧席は先着順で無料入場させる予定だ。

 これ以外にも、水原と浦項は各種景品を用意。釜山は地方自治体とのタイアップを通じ、W杯のファンを呼び寄せようと鼻息が荒い。

 今まさに韓国サッカーが2010年の南アフリカW杯に向け、再び動き始めた。そのためにはまずKリーグの復活からだ。

キム・ソンウォン記者

『スポーツ朝鮮』