毎日より

☆サッカーW杯:根深い人種差別 フランス選手に侮辱行為
 サッカー界で深刻視されている人種差別の問題で、今大会でも憂慮される事態が28日、発覚した。国際サッカー連盟(FIFA)は選手に対する人種差別の根絶を目指し、大会中から「人種差別にNOを突きつける」と題したキャンペーンを推進していくと発表したが、波紋を広げそうだ。

 AP通信によると、フランスのドメネク監督がW杯の決勝トーナメント1回戦のスペイン戦で重大な事件が起きたと告白。「競技場にバスが着くと、猿の鳴き声でチームの黒人選手がののしられた」と言う。試合前の国歌斉唱の間はスペインのファンが口笛を吹き、ブーイングを繰り返した。

 両チームは以前にもスペインのアラゴネス監督がフランスのエースFWアンリに対する差別的な発言をしたとされ、罰金を科された経緯がある。FIFAは「不幸なことにサッカーにおいて、まだ存在する悪との戦いだ」と宣言。試合中の人種差別を根絶できない国・地域の協会に対しても厳罰処分を辞さない構えを示した。

 こうした行為は数年前から欧州各国リーグでも、サポーターがアフリカ系選手を侮辱するなどし問題視されている。FIFAはドメネク監督の発言を受け、公式な訴えがあれば調査に乗り出す意向を示している。(共同)

毎日新聞 2006年6月29日 19時35分




色々な意味でフランス代表の方が「大人」だったということなんでしょうね…




☆日本代表:南アフリカ大会のエース候補、平山 オシムイズムで肉体改造

10年W杯南アフリカ大会のエース候補、FW平山相太(21=ヘラクレス)がオシム・イズムに沿って肉体改造に着手する。約1カ月の日本での静養を終えて、29日に成田発の日航機でドイツに向けて出発。千葉のイビチャ・オシム監督(65)の日本代表監督就任が決定的になったことを受けて、来季は“考えながら走るサッカー”を体現できる体づくりを図る。

 飛行機に乗り込む平山のバッグには1冊の本が入っていた。約1カ月の日本滞在を終えて、W杯を観戦するためドイツに出発。成田空港で「オシムの言葉〜フィールドの向こうに人生が見える」(木村元彦著)を入手し、移動の間に読みふけった。日本代表監督就任が決定的なオシム監督の激動の人生やサッカー観に大きな感銘を受けた。

 「オシム監督は素晴らしい監督だという話をいろいろな人から聞いている。オシム監督の下でサッカーをしたい気持ちはある。そのためにも、まずは体を絞らないと」

 日本滞在中はほとんど体を動かすことがなかったため、体重はベストから約3キロ増の84キロ。オシム監督の掲げる「考えながら走るサッカー」を実践する状態には、ほど遠い。オランダ1年目の05〜06年シーズンは、当たり負けしない体をつくるために、ウエートトレなどパワー系中心の練習に着手。31試合8得点と結果を残した半面、フル出場は7試合に終わり、運動量は決して多くなかった。

 そこで今季はパワー系に加えて、有酸素系の練習を増やす予定。90分間走り続けられる体をつくり、前線からのプレスなど守備でも貢献できるスタイルを目指す。国見高時代には過酷で知られるサッカー部の練習に加え、陸上部に飛び入り参加して股関節の可動範囲を広げるトレーニングを続けたこともある。もともとは「練習の虫」で、運動量アップという目標は原点回帰でもあった。

 オランダでは日本から送ってもらった文庫本を読むのが趣味。国見高時代の得意科目は数学でテストで学年1ケタに入るなど頭脳派の一面もあり“考えながら…”に適応する基盤はある。

 「オシム監督は筑波大やU−20日本代表の時に、千葉との練習試合で見た程度。話してみたいですね」

 7月1日にもオランダに戻り、同3日から練習を再開する予定。オシム・イズムに刺激を受けた長身ストライカーが新シーズンに向けて動きだす。

スポーツニッポン 2006年6月30日



FC東京のフィジカルトレーニングもこの路線に沿ってることになるのでしょうか?幸い徳永も軽症だったみたいですし…




☆日本代表:オシムジャパン結論出ず3者会談実施



苦悩の表情で会見に臨んだオシム監督=スポニチ提供 次期日本代表監督への就任が決定的な千葉のイビチャ・オシム監督(65)は29日、成田着の航空機で来日し、千葉市内のホテルでクラブ首脳と話し合いを持った。だが、話し合いで結論が出なかったため、同監督は早期決着を求めて千葉、日本サッカー協会との3者会談を要望。これを受けて日本協会の田嶋幸三技術委員長(48)が30日に滞在中のドイツから帰国し、3者会談で円満解決を図る。

 熱意は身ぶり手ぶりを交えた主張に表れていた。クラブ首脳との会談を済ませ、練習を見守った後に行ったクラブハウスでの1時間の会見。その中でオシム監督は「挑戦」という言葉を繰り返した。

 「クラブと代表の監督は全くの別物。ただ、言えるのは代表監督は特別な挑戦。簡単には決められない。デリケートな問題だが、それほど代表監督というのは挑戦だ」

 代表監督への意欲を隠そうとはしなかった。だが、時折見せた頭を抱えるしぐさにクラブを愛するゆえの苦悩ものぞいた。「1人で決断していいことかもしれないが、ここ(千葉)には社長、スタッフ、みんながいる。だから話し合っている。クラブでの結果があったからオファーが来た。そこも考慮すべきこと」

 淀川隆博社長(55)らクラブ首脳と千葉市内のホテルで約1時間30分にわたって行った話し合いは平行線をたどった。淀川社長は「契約を満了していただきたい」と今季終了後の代表監督就任は容認する構えだが、オシム監督は「日本代表は私をそこまで待ってくれないでしょう」と主張。さらに「7月いっぱいぐらいには決めないと」と長いスパンで考える同社長に対し、指揮官は「私が迷っている姿を選手が見たら練習に集中できない」と早期決着を希望した。

 話し合いでは、ついに妥協点を見いだせずじまい。そのため、オシム監督は会見で「2つの車を同時に運転はできない」と代表とクラブの兼任の可能性を否定。そのうえで「(日本協会、千葉、自身の)3者で話をするのが一番シンプルな解決策。それが正しいこと」と3者会談の実現を求めた。

 オシム監督の要望を受け、日本協会の対応は素早かった。川淵三郎キャプテンがオフに入っているため、7月11日帰国予定でW杯ドイツ大会を視察中だった田嶋技術委員長を、30日に帰国させることを急きょ決定。田嶋委員長は滞在先のホテルで「最後の詰めをしっかりしたい。(千葉に)電話をしたが、話は進展していない。これまでのいい反応が違っていれば困るし、まだ3者で話をしていない。ジェフに失礼がないようにしていきたい」と誠意ある態度で千葉側に理解を求める構えを示した。

 オシム監督は30日からの岐阜合宿(7月6日まで)に予定通り参加する。田嶋技術委員長も帰国して即そのまま岐阜に向かう可能性も出てきた。代表監督就任への交渉は決して暗礁に乗り上げたわけではないだけに、妥協点さえ見つかれば、オシムジャパンの誕生で決着する。

 ≪監督と社長に聞く≫

 −−今の心境は?

 オシム監督「サポーターが来てくれて、クラブや私に対して愛を感じた。ただ愛は二面性があって、ジェフへの愛、広い意味で自分たちのことを考えている愛だ」

 −−川淵キャプテンが監督の名前を発言してしまったが?

 監督「彼がオシムという名前をこぼしたことは知らなかった。向こうの新聞を読んで知った。要は私の耳ではなく、人づてに聞いたということ」

 −−田嶋技術委員長との会談の内容は?

 監督「大きな意味でサッカーの話をした。W杯でどういうことが起こって、日本に何が起こっているか。家まで来た人は大事に扱いますよね。帰ってくれとは言えません」

 −−日本代表監督のオファーについては?

 監督「まずは、このクラブに来て、こういう結果が出てこういうタイミングで(オファーを)もらった。それは光栄なことだと思う。ただ私はジェフで3年半続けようと思っていたわけではない。1年1年の積み重ねで認められるようにとやった。逆にこれからジェフで続けたところで、同じ結果が出るとは限らない。3、4週間負け続けてクビになることだってある」

 −−ジェフへの気持ちの方が強いのか?

 監督「どちらに気持ちが傾いているかは言えない。クラブと代表は全くの別物」

 −−選手に対して何か話はしたのか?

 監督「チームに残るなら何も言う必要がないし、(代表に)行ったとしても代表に選ばれる選手は何人かいるわけだから言う必要はない」

 −−きょう30日からの合宿は参加する?

 監督「今、この瞬間は私もジェフの一員。黙ってキャンプに行きますよ」

 −−キャンプ中に話が進展することはあるのか? 

 淀川社長「あるかもしれないし、ないかもしれない」

 監督「迷っている姿を選手が見たら練習に集中できない。2つの車をいっぺんに運転することはできない。トラックでもう1台を引っ張るなら1人でも2台を動かすことはできるけど」

 −−決め手は何か?兼任ということか?

 監督「まず私が考えるのは、ジェフで残り4、5カ月やっても日本代表はそこまで待ってくれない。(クラブの)未来のことを考えると、今ジェフが持っている人材、質はどっちみち未来に引き継ぐわけですから、そういうものをリスクを冒して手渡すということも考慮することが大事なのではないか」

 −−代表監督就任に当たって、ジェフとの契約が障害になっているのか?

 社長「ジェフと契約するというのが悪いというふうに聞こえる」

 監督「契約より大切なものはお互いの取り決め。契約で縛られる関係より、互いのために握手して言葉を交わして話し合って決めることが大事」

 −−旧ユーゴスラビアの監督とパルチザン・ベオグラードの監督を兼務していたこともあるが。

 監督「当時と今回とではシチュエーションが違う。ユーゴ代表としての試合は1つ(欧州選手権予選)しかなかった。(相手も)対戦相手の監督が代表監督なら、2倍のモチベーションになる。そういう人が気付かないことまで考えると、すごく難しい」

 −−代表監督に挑戦したい気持ちはあるのか?

 監督「挑戦と言ったので、すべて想像にお任せします。そんな簡単に決められることではない」

 −−いつまでに決める?

 監督「私が1人で決めることではないし、いつ決断するとかじゃない。7月9日までという記事を読んだが、なぜ7月9日までなのか分からない」

 −−W杯での日本の戦いについて

 監督「誰も批判するつもりはないが、メディアが誇張して報道していたのでは。日本に実力がある、オーストラリア、クロアチアにはあまりない、と言われていたが、正しい方向に進んでいれば結果は変わっていたのかも。日本は経済大国と言われているが、経済大国がサッカーも強いと思ってはいけない。どの国も実力が伯仲していて、ここには勝てるというのはない。4年前はホームだったが、今回も同じような結果を出せるとは限らなかった」

スポーツニッポン 2006年6月30日



言い分としてはジェフ千葉の方が理があるような気がします。協会ももっと柔軟な対応をすべきだし、協会もオシム人気に便乗したと受け取られても仕方ない部分があると思います。

ジーコ前監督の「失敗」はJリーグと代表を切り離してしまったところにも原因があるような気がしますし、Jリーグの底上げあってこその日本代表強化ではないでしょうか?やはりJリーグに根ざした代表であるべきだと考えるのですが。

オシム後のことも考えて、日本人のコーチに代行させる手もありだと思うのですが…(それはオシム氏が同意しないのかもしれませんが)