☆日本代表:初のダメ出し「柳沢は準備不足」


ジーコ監督も堪忍袋の緒が切れた。これまでは決定力不足を批判されてきたFW陣をかばい続けてきた。だが、2試合連続で期待を裏切られ、自然と嘆き節ばかりが口をついた。

 指揮官はクロアチア戦での柳沢のシュートミスについて触れ「あれはミスというより準備不足。ブラジルのアドリアーノロビーニョならボールが来ることを察知して確実にインサイドキックでシュートして決める。柳沢はシュートの準備をしていなかった。そこがアドリアーノロビーニョとの大きな違い」とバッサリ。柳沢は「うまくいかなかった」と唇をかんだが、失った信頼を取り戻すのは難しい。

 柳沢のクロアチア戦でのシュートは結局この1本だけに終わっただけに、失望感はありあり。鹿島時代からの愛弟子にジーコ監督は初めて“ダメ出し”をした。

 ≪シュート練習1時間≫得点力不足解消へ向けて、ジーコ監督は異例のシュート特訓を課した。本番2日前は通常なら体を温めた後は、紅白戦を行い、フォーメーションや細かい戦術を確認するところだが、この日はウオーミングアップ後にすぐにシュート練習に入った。最初はジーコ監督自らがポストプレーをこなし、続いて2人1組になって、さらに3人1組と3つのパターンでシュートを打たせた。指揮官は自らパスを出し「いいぞ!」「それだ!」と声をかけていた。途中で三都主が練習を抜けるアクシデントがあったが、ジーコ監督の熱い指導は約1時間も続いた。

スポーツニッポン 2006年6月21日


準備・特訓をするのは予選通過からテストマッチの時まで。ここまで来たらあとは選手を信じるしかないとおもうんですがね・・・物事の順番がすべて逆なような




☆日本代表:主将は中沢!ジーコ監督大手術


奇跡を起こすためジーコ監督(53)が日本代表を変える。22日(日本時間23日午前4時)にブラジルと対戦する日本は20日、全体練習を再開した。1次リーグ突破のためには2点差以上の勝利が絶対条件となる大一番を前に指揮官は再建策を明かした。主将にはDF中沢佑二(28)を指名し、出場停止のDF宮本恒靖(29)に代わってDF坪井慶介(26)を先発起用。不振のFWのテコ入れも断行する意向を示唆した。

 ジーコ監督が大なたを振るう。ブラジル戦のメンバーについて聞かれると「変更するつもりだ。DFには坪井を起用する。主将は中沢にやってもらう。FWはまだ分かりません。きょうはそこまでは言いません。ネタは小出しにしていく」と入れ替えを検討していることをにおわせた。

 まず累積警告で出場停止の宮本の抜けるDFラインには坪井を入れる。そして宮本に代わる主将には中沢を指名した。宮本の前の主将・中田の再登板も考えられたが、悲観的な空気を吹き飛ばすには中沢が適任だった。

 全国高校選手権出場が1度もない無名の三郷工技高出身。「絶対プロになる」とブラジルのFCアメリカに留学。帰国後は入団テストの末に98年に練習生として東京V入り。99年日本代表に初選出された。ジーコジャパンで主将を務めたのは05年1月29日のカザフスタン戦の1試合だけだが「進んでいる道を疑ったり後ろを振り向いたりしてはいけない」という不屈の精神こそ、逆境にある日本代表を好転させる。

 空中戦、1対1の強さはこの2試合で証明された。ラインコントロールを行う役目も横浜で経験がある。過去に“奇跡”を起こしたこともある。04年8月のアジア杯準決勝バーレーン戦では終了間際に同点弾を決めて逆転勝利の立役者になった。福島合宿でもFW練習をこなしており最前線に立つオプションもある。守備も攻撃も精神面でも日本を引っ張るのだ。

 FWもテコ入れする。ジーコ監督はブラジル戦に向けて「2点以上が必要だ。2人のFWにはしっかり点を取ってもらいたい。彼らにはその義務がある。そうでないと次(決勝トーナメント)に行けない」とチャンスで確実に決めることをあらためて要求した。FWが数少ないチャンスを生かさなければ“奇跡”の1次リーグ突破はない。指揮官は「公式戦でブラジルに2点差をつけて勝つ国はほとんどない。でも、チャレンジしなければならない」と危機感を募らせており、自信喪失の柳沢、高原に代わるストライカー投入もある。

 ジーコ監督は20日、ボン市内の日本代表情報発信基地「G−Jamps」を訪問。メッセージが寄せ書きされたブルーのフラッグを眺め「何重にも重なったファンの温かいメッセージを見て感動した。これだけの熱い思いを選手も感じるべきだ。次のブラジル戦につなげたい」と選手の奮起を促した。難攻不落の母国を倒すため、情を捨てて厳しい決断を下す。

 ≪宮本 練習で引っ張る≫累積警告で22日のブラジル戦は出場停止となったが、練習のランニングでは先頭を走ってチームを引っ張った。18日のクロアチア戦ではゴール前でファウルを犯し、痛恨のPKを献上。GK川口のスーパーセーブに救われた。今後はゲームキャプテンを中沢に託す。「仕方ない。チームのためにやるべきことをできる限りやりたい」と話した。

スポーツニッポン 2006年6月21日




ロナウドも崖っぷち…不発エースに「王国」も不満爆発!? (スポーツ報知)

連勝で決勝トーナメント進出を決めたものの、まだ本来の調子が出ないブラジル代表に対し、同国のファンが不満を募らせている。特に、精彩を欠くFWロナウド(29)と、ロナウドを先発から外さないパレイラ監督(63)への風当たりが強い。


 19日付のブラジル各紙は「(2連勝という結果は)見せ掛け」(フォリャ・ジ・サンパウロ紙)などと一様に辛口で報じた。クロアチアに1−0、オーストラリアに2−0と快勝したセレソンだが、まだ本調子を取り戻せないロナウド、彼の起用にこだわるパレイラ監督に対して、ブラジル国民は厳しい目を向けた。

 22日の日本戦でもロナウドの先発起用を明言した指揮官について、グロボ紙は「強情さという罪悪」と大見出しを付け、再考を促した。成長著しい若手のロビーニョと入れ替えるべきという世論が、次第に大勢になりつつある。

 ただ、ロナウドセレソンにおける実績と貢献度は抜群。チームメートからも一目置かれてはいる。ニックネームは「プレジデンテ(社長)」。しかし最近は「もっと動いてくれたら最高なんだけど…」(カカ)、他のチームメートは「(ロナウドに代わって)ロビーニョが入ると左右に流れてボールを受けてくれるからプレーしやすい」と語るなど状況は厳しい。

 同代表は19日、プールトレなど軽めの調整を行った。ドクターのルンコ氏は「ロナウド、カカ、ルシオが筋肉痛を訴えたが、いずれも軽症で日本戦の出場は問題ない」とコメント。はたして、ロナウドは今大会で最後までレギュラーとしてプレーできるのかどうか。日本戦が「最終テスト」になりそうだ。




[ 2006年6月21日11時41分 ]