最後は監督の決断次第!?

☆7番対10番、司令塔「君主」対決…戦術論で火花 (夕刊フジ)


日本代表対ドイツ戦では、7番「王様」ヒデVs10番「殿様」俊輔との“対決”に注目だ。

WBCのイチローを目指すべく「ヒデ派」結成に奔走する中田英寿小野伸二中田浩二らの「ヒデさん一緒にやりましょう!」という誘いでボール回しなどを行い、笑顔の日々。一方で中村俊輔とは沈黙の火花がバチバチ飛んでいる。

ドイツ合宿での練習で2人は、目を合わせるどころかピッチ上で話をする光景が一度もない。もちろんボール回しなどウォームアップも2人で行ったことがないし、ランニングでも王様と殿様の併走はない。

そのワケは2人の間にW杯に向けた戦術に対する「亀裂」があるからにほかならない。

中田英ジーコジャパンになってから新境地である守備的MFが不動の位置となったが、本来は中村のポジションである攻撃的MFを希望。ドイツ戦に向けて2人が主張する戦術はまるで正反対で、中田英は「とにかく攻めるべき」と選手らに主張しているのに対し、中村は「攻めるだけではダメ。メリハリをつけないと必ずやられる」とバランス重視の戦術を説く。

決定するのはジーコ監督の役目なのだが、ドイツ戦については「細かい指示をするよりも、ドイツ相手にどのくらいやれるかだ。課題がみつかるかもしれないが、後々に生かせる試合にしたい」と話し、こと戦術面になると「技術面も含めてチームはとてもいい状態」というだけで、手つかずのままだ。

また、ドイツ戦の前日練習でジーコ監督は、2人の対決をあおるようなことをあえて行った。「ヒデ、コーナーキックをやれ!」と本来なら中村の役割ともいえる右CKを中田英に任せたのだ。

W杯で2人の指令塔が共存して成功した例は少ない。王様が攻めろといい、殿様が守れという。船頭多くして船山に上る。本大会開幕を目前にした今、どちらが日本を成功に導くか、ドイツ戦が教えてくれるはずだ。

[ 2006年5月30日16時22分 ]



☆対戦相手分析も最終段階 偵察要員もチーム合流 (共同通信)


日本代表がワールドカップ(W杯)1次リーグで対戦する3カ国の情報収集のため、世界各地で国際親善試合などを視察していた元ブラジル代表、ジュニオール、チッタ両氏が自らの目で見た貴重な情報を手に、ボンで合宿中のチームに合流している。

 両氏がどの試合を偵察したのかは「公表できない」(日本協会関係者)とされているが、主にジュニオール氏がオーストラリア、チッタ氏がクロアチアの情報収集に当たったとみられる。ジュニオール氏は就任の際「日本がW杯でセンセーションを起こすチームになれば幸せ」と、情報面での協力に意欲を示した。

 両氏とジーコ監督はブラジルのクラブ、フラメンゴ時代の僚友で、独特のサッカー観を共有する。チッタ氏はJリーグ1部(J1)浦和の監督を務めた経験もあり、日本サッカーへの見識も深い。日本人テクニカルスタッフの和田一郎氏は両氏について「非常にサッカーの見方がジーコ監督に似ている」と評する。

 英雄的選手だったジーコ監督自身も世界中に広がるブラジル人脈を通じ、電話などで独自の情報収集をすることもあるという。

 現日本代表のミーティングはジーコ監督の方針で非常に短時間で回数も限られるが、厳選された良質の情報が日本の1次リーグ突破を後押ししそうだ。(ボン共同)


[ 2006年5月30日19時19分 ]