意外な適性

ヤマザキナビスコカップ F東京 vs 磐田】プレビュー:F東京は新たな中盤で、黄金期復活を目指す磐田に挑む。 [ J's GOAL ]

4月16日(水)ヤマザキナビスコカップ F東京 vs 磐田(19:30KICK OFF/味スタ)

  • ゲームサマリーはこちら-
  • 味スタへ行こう! スタジアムガイドはこちら-

★全試合ハイライト公開!J's GOAL ヤマザキナビスコカップ特集はこちら-

                  • -

ヤマザキナビスコカップ予選Bグループは、2戦を消化して清水が2位F東京に勝点1差をつけて首位を走る。F東京と磐田は1勝1敗で得失点差も同じ0で並ぶ。この試合を落とせば、予選通過が厳しくなるだけに両クラブとも落とせない試合となる。F東京と磐田との試合は明日19時半、味の素スタジアムでキックオフする。

 F東京は土曜のリーグ6節東京V戦を逆転勝利で飾り公式戦2連勝とした。この勢いを継続させたいところだが、東京V戦で羽生直剛が左足首を捻挫し、明日の出場を回避。羽生の代わりは、栗澤僚一が務めることになりそうだ。負傷中の石川、エメルソン、近藤ら主力選手の故障が続いている。だが、チームは手を変え品を変えて様々なメンバー構成でうまく対応してきた。その大きな要因が、一人の選手に複数の役割を与えたことだろう。

「本当にその選手が、その場所にしか適正がないのか。もっと他に可能性がないのか。それはキャンプからずっと色々な選手で試してきた」(城福監督)

 今季は開幕前から、選手個々の特性を見極めるため、徳永悠平ボランチ石川直宏シャドーストライカーなど様々なテストを施してきた。その中でも、金沢浄ボランチ復帰は大きな成功例だろう。F東京では不動の左サイドバックとして活躍してきた金沢だが、抜群のバランス感覚を買われボランチにコンバートされた。金沢は12日に行われたリーグ6節東京V戦では、途中出場ながらチームのバランスを整え、逆転勝利に大きく貢献した。

 城福監督は「金沢の他にも別のポジションを心に描いている選手が複数いる。それはそう遠くない未来にあると思っていただいていい」とニヤリ。恐らくその一人が梶山陽平だろう。梶山は、15日のフォーメーション練習でトレスボランチの中央に入った。梶山がこのポジションに入ることでF東京はまた違った展開のサッカーが可能になるはずだ。ここ数試合、浅利がトレスボランチの中央を務めてきたが、浅利と梶山では役割が異なる。浅利が重石となり守備を引き締めるアンカーなら、梶山は後方からゲームを組み立てるピボーテとなる。「前線に上がっていくのをいつもより抑えてバランスを見たい。ボールをこれまで以上に受けやすいポジションでもあるのでシンプルにプレーしてチームのリズムを作りたい。運動量よりも、質を求められていると思う」と梶山。ピッチ狭しとダイナミックに動き回るセントラルMFのイメージが強かった梶山だが、このポジションではゲームを冷静に読む力も要求されることになる。昨季成長を遂げた梶山に新たな可能性が加わった時、今季更なるブレイクスルーを予感させる。

 磐田は主力に怪我人が続いている。特にFWに怪我人が続出。絶対的なエースの前田僚一を始め、カレンロバートら主力のFWを欠いている。今節は、ベテランFW中山雅史の出場が濃厚だ。中山は磐田黄金期の復活を目指す内山監督の下、先頭に立ってチームを引っ張る。衰え知らずのゴールへの欲求で危機的状況のチームを救えるかが大きな鍵を握る。城福監督は「黄金時代の磐田は、本当に面白いサッカーをするチームだった」と話していただけに、西を中心としたパスワークから攻め崩す磐田の中盤と、ムービングフットボールの完成を目指すF東京の中盤対決にも注目が集まる。

以上

2008.04.15 Reported by 馬場康平