選手の癖の生かし方

「アウエー戦の男」李の1トップが濃厚

シュート練習を繰り返すFW李(撮影・鹿野芳博)  【ドーハ(カタール)=山下健二郎、奈島宏樹】北京五輪アジア最終予選の大一番は「アウエー戦の男」に託された。U−22(22歳以下)日本代表は、今日17日(日本時間18日未明)に敵地でカタールと対戦。前線でのスピードと守備力を武器に、FW李忠成(21=柏)が1トップで先発出場濃厚となった。今季Jリーグと五輪予選で決めた12得点のうち、実に9得点をアウエー戦でマーク。勝てば五輪出場に「王手」がかかる一戦で勝負強さを発揮し、北京への道を切り開く。

 決戦を目前に控えた気持ちの高ぶりを、抑えたくなかった。最前線でゴールへの期待を一身に背負う、1トップでの初先発。試合直前まで「大役」を明かされなくても、李には反町監督や同僚たちの無言のゲキが十分伝わっていた。「今回はすごいチャンスをもらっていると思う。点を取って勝ちたい」。敵地入り当日の調整で約20分間、居残りで黙々とゴールへ向かって左足を振り抜いた。

 アウエーでの戦いには、自信がある。今季Jリーグでは26試合に出場して現代表トップの10得点。そのうち、7得点を敵地で決めた。五輪予選でも、3月マレーシア戦で決勝の代表初ゴールを、5月香港戦では先制弾をたたき込んだ。「運だけですよ。でも今回は、その運をすべて使い切ってもいい」と決意を口にした。

 在日韓国人4世。今年2月に日本国籍を取得し、五輪2次予選で5試合に先発したが、最終予選では森島や岡崎の台頭もあって出場機会が激減。9月のサウジアラビア戦でベンチ外、続くカタール戦も1分間の途中出場という屈辱を味わった。

 だが、今回は違う。李は「ソウタ(平山)やモリシ(森島)にはできないプレーがある」と胸を張る。前線での守備力と、後方からの味方の縦パスを得点に結び付ける脚力だ。DF伊野波は「運動量が豊富で、相手DFの裏に抜け出すスピードを生かしたい」とチームの思いを代弁した。カタールベトナムに連勝すれば、最終戦を待たずに五輪出場が決まる。「外弁慶」が、大一番で仁王立ちする。【山下健二郎

[2007年10月17日9時36分 紙面から]



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