ルカレッリの穴を埋めるトリスタン2007年7月23日(月)

ASリボルノ・カルチョは、今夏FCシャフタール・ドネツクへ移籍したFWクリスティアーノ・ルカレッリ(31)に代わる選手として、元スペイン代表FWディエゴ・トリスタン(31)を移籍金なしで獲得した。


移籍金800万ユーロ(約13億5000万円)でチームを去ったルカレッリは、リボルノでリーグ戦通算146試合に出場し、94得点を記録し、クラブにとって英雄的存在だった。一方のトリスタンは、RCデポルティボ・ラ・コルーニャでの6シーズンで177試合78得点の数字を残した後、昨季は古巣のRCDマジョルカでプレーした。スペイン代表でも15試合に出場し、4得点を記録している。


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セリエ→東欧、リーガ→セリエという流れはあまり聞かないですね。逆はよくあるとしても。



ディエゴトリスタン関連








なつかしいですね・・・東京もこんなサッカーを目指していたような




U-20W杯で輝いた世界のスター候補生たち

 U-20W杯は強豪アルゼンチンの連覇をもって、約1カ月にも渡る長い戦いに幕が下ろされた。しかし、終わったのは大会の日程であって、参加した選手のサッカー人生をかけた戦いはむしろここからがスタートになる。ここでは、今大会で光った何人かのスター候補生たちをピックアップしてみたい。

 現時点で最もスタープレーヤーに近いといえば、やはりアルゼンチンのセルヒオ・アグエロになるだろう。2006年ドイツW杯のメンバーに入れなかった悔しさをカナダにぶつけた俊英は、決勝のチェコ戦でも値千金の同点弾を叩き込むなど、計6得点を決めてゴールデンシューズ賞(得点王)に輝いただけでなく、大会MVPを意味するゴールデンボール賞も手にした。

 少しばかりシャイな性格といい、はにかむ表情といい、前回大会で同じく得点王(6得点)&MVPに輝いたメッシを彷彿とさせるが、存在感という意味では偉大な先輩の後塵を拝した感がある。決勝トーナメント1回戦のポーランド戦で見せたシャペウ(相手の頭上にボールを浮かせて抜く技)からの得点を始め、ペナルティエリア内での落ち着きと確実な仕事ぶりには目を見張るものがあるが、相手のマークに消されることも多く、ペナルティエリアから離れてしまうと大人しくなってしまう。基本技術はしっかりしているが、ズタズタに相手を切り裂くドリブルで沸かせたメッシに比べると、個人技で見せることも少なく、ゴールの職人という印象だ。

 むしろメッシに近かったのはチームメイトのマキシミリアーノ・モラレス。ドリブルの切れ味は鋭く、積極的に一対一を仕掛ける姿が目立った。その圧倒的な個人技はアルゼンチンに多くのチャンスをもたらしただけでなく、自身の決定力も高く、得点ランキング3位に入る活躍を見せた。MVPの座はアグエロに譲って2位に留まったが、存在感では勝っていたと言っていい。160cmと非常に小柄だが、当たり負けする場面は少なく、今後の飛躍が期待できそうだ。

 期待と言えば、メキシコのジオバンニ・ドス・サントスだが、なるほどバルセロナ(スペイン)が獲得しただけのことはあった。独特のリズムを刻むドリブルは守備陣を混乱させ、意外性のあるボールタッチで観客を沸かせる。左足から繰り出す魔法は威力抜群。調子に乗ったときの彼は、確かにポスト・ロナウジーニョの期待に恥じないものがあった。だが、その一方でパフォーマンスにはかなり波があり、涙を呑むことになるアルゼンチン戦では、ほとんど何もできないままピッチ上の散歩に終始してしまった。スターの階段を上るためには、もう少し安定感を身に付けることが課題になりそうだ。

 スターと言えば、ある意味で最もその座に近いのはオーストリアのオコティエかもしれない。ボールの運び出しが特徴的でボールを失うことが少なく、テクニックにも優れる。さらに、身体能力の高さが圧倒的で競り合いにも強い。オーストリアには珍しい褐色のストライカーはゴール数こそ2に留まったが、このチームで唯一、相手にとって脅威となれる存在だった。

 しかし、プレー面以上に際立っていたのはそのキャラクター。3位決定戦となったチリ戦では絶えず2、3人のマークにあい、持ち味を出すことなく辛酸を舐めることになったが、試合後、ピッチ上で悲嘆に暮れるチームメイトをよそにひとりベンチに戻って怒りと悲しみを沈めると、スタンドに挨拶にいく仲間の一団に合流することもなく、ひとりで最後尾を悠然と歩いた。しまいには観客にサイン会、握手会を開いてしまい、なかなかグラウンドをあとにすることはなかった。その佇まい、すでにスターそのものだった。

2007年7月25日 14時15分 ISM