用意周到

ACLへ関塚監督が選手に3禁指令

 【スラバヤ(インドネシア)5日=佐々木一郎】転ぶな、殴るな、いらつくな。初のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)に挑む川崎Fの選手たちに、関塚隆監督(46)から3禁指令が出された。東南アジアのピッチは滑りやすく、昨日7日に対戦するアレマ・マランは相手選手を殴るなどのラフプレーが横行。暑さ、高い湿度、Jリーグと異なるボールなど不慣れな環境だが、平常心で戦う重要性を徹底された。

 午後3時の練習開始に合わせたかのように、雨が降り出した。雨期のため、約2時間の練習中も降ったりやんだり。イスラム教の祈りの歌アザンも聞こえてくる。本番会場ではないものの、ピッチはデコボコ。ボール扱いに戸惑い、パスがつながらない。気温27度、湿度90%。何もかもが日本と違う環境に、選手たちは苦しめられた。

 川崎Fにとって、アジアのアウエー戦は初めて。MF中村、FW我那覇ら日本代表選手を含めても、経験値は多くない。これを踏まえ、関塚監督は、練習前のミーティングで説いた。滑るピッチに気を付けること、相手の挑発に乗らないことに加え「メンタルをコントロールすることが、アジアの大会では非常に大事になる」と念を押した。

 ビデオで見たアレマ・マランの試合は、1人が相手を殴って警告を受け、別の場面で殴ったもう1人が退場。MF村上は「殴ってくれれば御の字。退場してくれるわけだから。ガツガツこられるのは、覚悟している。みんなで抑えながらやることが大事」と話した。

 MF中村は「何があっても、精神的に乱さない。何が起きてもおかしくないと、試合前にみんなで話したい」と言った。この日使用した試合球はJリーグと違い、選手たちからは「重い」との指摘が相次いだ。今日6日、試合地のマランへ陸路で3時間移動する。何が起きてもおかしくないアウエー戦。選手たちは覚悟を決めて、決戦に臨む。

2007年3月6日 09時57分 日刊スポーツ