浦和まさか6失点で最下位/ブルズ杯
<ブルズ杯>◇13日(日本時間14日)◇オーストリアザルツブルグ・ブルズアリーナ

 【ザルツブルクオーストリア)14日=藤中栄二】昨季2冠の浦和が、欧州の地で惨敗した。オーストリア1部ザルツブルク、ドイツの名門バイエルンとブルズ杯(1試合45分の変則方式の総当たり戦)で対戦。8冠奪取と世界進出を掲げた07年の初大会だったが、不慣れな人工芝ピッチで堅守が崩れ、ザルツブルクに1−3、バイエルンに0−3と計6失点。2戦2敗で最下位の屈辱を味わった。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の海外アウエー戦に向けた、大きな教訓となった。

 J1王者の誇りは、無残にも引き裂かれた。第1試合のザルツブルク戦。開始3分、相手セットプレーからワシントンのオウンゴールで失点すると、序盤の15分間だけで3点を許した。さあ、ここから反撃−。そうしようにも、できなかった。球足の速い不慣れな人工芝ピッチに、下半身の踏ん張りが利かない。選手を大幅に入れ替えた第2試合のバイエルン戦も、失点は止まらなかった。J屈指といわれる守備のテンポが遅れ、自慢の攻撃にもリズムをつかめない。モーツァルト生誕の地で、最後まで浦和らしいハーモニーを奏でることはできなかった。

 世界進出を銘打った07年の初大会。ACL、クラブW杯など今季8冠を目指したが、いきなり1冠目でつまずいた。始動から3週間目で、体力づくりを終えたばかりの開幕前の時期。当然、仕上がりは一番遅いが、他2チームもDF陣を中心に控えメンバー中心。90分間での6失点はJ2時代の00年6月の新潟戦(1−6)以来の屈辱。DF坪井は「人工芝がやりづらいのは最初から分かっていたこと。その中でやらないといけない」と反省した。

 ACLアウエー戦の課題も見えた。今遠征同様、長時間移動の疲労、ピッチの整備不足や気候の変化などは当然、起こりうる事態。GK山岸は「埼玉スタジアムでやるのも、ここでやるのも同じサッカー。ACLでどんな状況が待っているか分からない」と危機感を募らせた。

 意気消沈する暇はない。DF闘莉王は「まだ3割程度の段階。まだ本物じゃない」と言えば、MF鈴木は「この悔しさを今後の成長につなげる」と強気の姿勢。欧州での屈辱を糧に、浦和が07年シーズンに向けた再スタートを切る。

[2007年2月15日7時58分 紙面から]


Jのレベルとヨーロッパのレベルの差をまざまざと見せられたという所か・・・4年前にヨーロッパからは学ぶものはないとまで誰か(someone)は豪語したが、4年前よりも格差が広がったような印象すらあります。ヨーロッパが全てではないというのはその通りなのだが、4年前と比べても、外を見ようとしなくなったこと自体、本当にそれでいいのかとも感じています。