マルディーニ「観客なしでの試合はばかげた案だ」

「できればもう1週間休みたい。観客なしで試合をするのはばかげた案だと思う」
 ミランのキャプテン、パオロ・マルディーニはリーグ戦の中断についてこうコメントしている。

 マルディーニクリスティアン・ビエリとともに収録曲を選んだコンピレーションアルバム『スウィートヒッツ』の発表をミラノで行い、その席で次のように語った。
「過ちを犯した者がそれを償わなければならないのはもちろんだけど、ファンに対してスタジアムを閉ざして試合をすることは、サッカーの死を意味する。選手にとっては最もフラストレーションのたまることだ。過去にも同じような状況は何度かあったけど、反応は異なっていたと思う。リーグ戦と代表の試合が中止されたというのは強い意思の表れだ。これからは容赦なく対応していかなければならない。行動する前に何かが起こってしまうことは常にあり得るから、早くした方がいいだろう。暴力的なサポーターの恐怖? 普通はグラウンドに出る際に恐怖を感じることはない。サッカー界の中で、たぶん僕らは最も“守られている”立場にあると思う」

「サッカーの世界だけではなく、社会全体が窮屈になっている」とマルディーニは続ける。
「今回起こったことは僕らの世界だけの問題じゃない。事件が起こったのはスタジアムの外だったし、警察への攻撃はあらかじめ計画されたものだった。サッカーのある部分が良くないというのはまた別の話だけど、サッカーだけに責任を押し付けるのは問題の矮小(わいしょう)化につながってしまうように思える。イギリスか米国をモデルにする? どちらも良いアイデアかもしれない。イギリスは法律の厳しさと、何よりそれがしっかりと適用される点が優れている。米国のようにコンサートやその手のイベントを行うことで、スタジアムにもっと家族連れを呼ぶことができるかもしれない。多くの場合、緊迫した雰囲気が生まれるのは試合そのものが原因ではなく、社会の窮屈さによるものだ。いずれにしても、イタリアのスポーツ文化がほかと異なっているのは確かだ。敗戦が受け入れられることはない。イングランドではチームが下のリーグに降格したとしても拍手を送っている」

 ほかの選手たちと同様、マルディーニにとっても普段とは違う日曜日だった。
「悲しい気持ちで過ごした。息子もダービーマッチに出場する予定だったからね。サッカー選手の役割は、フェアプレーとスポーツマンシップの精神を伝えようとする点にある。グラウンド上での僕らの態度に大きな意味がある。良ければ良いに越したことはない」

(C)SPORT

[ スポーツナビ 2007年2月6日 11:25 ]


今回の事件はサッカーとは無関係と考えますが、サッカーと言う場が「悪用」される危険性については注意しなくてはいけないと思います・