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cafebakerst2006-03-10

ミランバイエルンを大差で下し準々決勝進出=欧州CL

 ミランバイエルン・ミュンヘンを4−1(第1戦は1−1)で破り、チャンピオンズリーグの準々決勝進出を果たした。バイエルンはほとんど存在感が感じられない時間帯もあり、ミランにとってはいい試合となった。インザーギは欧州カップでの通算ゴール数を50とし、ディ・ステファノの記録を上回った。

 
前半5分にはシェフチェンコとカカの見事なパス交換からセルジーニョがクロスを上げようとしたが、相手選手に当たってCKに。ゆっくりしたペースの立ち上がりだったが、試合は突然のように動いた。前半8分にはミランが先制。デミチェリスが中盤でミスを犯し、ボールを拾ったセルジーニョが完ぺきなクロスを上げると、インザーギがこのボールに飛び込んで先制ゴールを奪った。インザーギはこれでディ・ステファノに並ぶ欧州カップ49点目。


12分にはフォーゲルからインザーギへのパスでカウンターを狙ったが、エリア外に飛び出したカーンがボールをクリアして難を逃れた。フォーゲルは14分にもボレーシュートを放ったがクロスバーの上へ。GKジーダにとっては15分のシュバインシュタイガーのシュートが初仕事だったが、シュートには勢いがなかった。


23分、インザーギが再び輝きを放つ。エリア内で反転したところでイスマエルに倒され、イワノフ主審はPKを宣告。しかしシェフチェンコのPKは枠を外れ、興奮状態のカーンはシェフチェンコに向かって何かを叫んでいた。だが、ミランのサポーターが落ち込む暇もないうちにシェフチェンコが2−0のゴール。スタムのクロスをヘディングで押し込んだ。この25分のゴールでミランは準々決勝に大きく近づいた。


34分、ようやくバラックが目立ったプレーを見せたが、エリア外からの強烈なシュートはゴールの横へ。35分、ジーダがまたしても不安定なプレー。シュバインシュタイガーのFKはゴールの正面だったが、ジーダはこれをはじいてしまい、イスマエルが押し込んで1−2とした。これで試合の行方は分からなくなり、ミランに緊張が走る。


40分にはセードルフのFKをカーンがはじいたが、シェフチェンコは押し込むことができなかった。43分、バラックのヘディングをジーダがファインセーブ。緊張感が高まってきた。ルシオにも2−2にするチャンスがあったが、ヘディングは惜しくも決まらず。ミランは前半終了の笛に救われる格好となった。


後半のミランは気持ちを入れ替え、すぐにその効果が表れる。47分、セルジーニョのクロスにバイエルンのディフェンス陣が混乱し、インザーギがいったん蹴りそこなったボールを頭でゴール。バイエルンにとってはあまりにも重い3点目だった(インザーギは欧州カップ通算50ゴール)。マガト監督は精彩を欠いていたリザラズを下げてゼ・ロベルトを投入。ピサロのシュートはジーダが落ち着いて対応した。


53分、サニョルが集中力を切らし、シェフチェンコにボールをプレゼントしてしまったが、シェフチェンコからセードルフへのパスは正確性を欠いた。バイエルンに反撃の力は感じられず、逆に傷口は広がるばかりだった。59分にはカウンターでシェフチェンコのパスを受けたカカがカーンの目の前でフリーとなり、力強く蹴り込んで4−1。これで事実上勝負はついた。


69分にはピサロのシュートをジーダがセーブ。続いてゼ・ロベルトのシュートは枠を外れた。バイエルンはさらにゴールに迫ったが、サニョルの正確なクロスにバラックは合わせられなかった。71分にはインザーギに代わってジラルディーノが出場。インザーギは不満そうだった。バラックミドルシュートは、ジーダがいったんはじきながらもセーブ。78分にはセードルフが惜しくも5点目を逃した。84分、ピサロのヘディングは惜しくも決まらず。ジラルディーノも結局チャンピオンズリーグ初ゴールを決めることはできなかった。


試合は4−1で終了し、ミランが準々決勝進出を決めた。インザーギの絶好調ぶりとジーダの危機的な状態があらためて浮き彫りとなった。優勝を狙うためには、アンチェロッティジーダをサポートして安定感を取り戻させなければならない。今はただ喜んでいれば良いが……。

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[ スポーツナビ 2006年3月9日 13:02 ]


得点差にもかかわらず、どちらにとっても不安定な印象が否定できないが・・・